掲載期間 | 令和5年6月〜令和5年9月 |
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掲載団体 | 福岡県土地家屋調査士会・福岡県不動産鑑定士協会・福岡県行政書士会・福岡県社会保険労務士会 |
福岡県土地家屋調査士会
不動産登記には、大きく分けて「表示の登記」と「権利の登記」があり、前者は我々土地家屋調査士、後者は司法書士さんの業務ですが、その不動産登記制度が見直され、不動産に関するルールが大きく変わります!
相続土地国庫帰属制度(令和5年(2023年)4月27日施行)
土地を相続したものの使い道がなく、手放したいけれど引き取り手もなく、処分に困っている…。そうした土地が所有者不明土地の予備軍になっていると言われています。
そこで、所有者不明土地の発生を予防するため、土地を相続した方が、不要な土地を手放して、国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」(令和5年(2023年)4月27日施行)が新たに設けられました。
土地・建物に特化した財産管理制度の創設(令和5年(2023年)4月1日施行)
所有者不明土地・建物や管理不全状態にある土地・建物は、公共事業や民間取引を阻害したり、近隣に悪影響を発生させたりするなどの問題が起きるきっかけになります。これまではこの管理に適した財産管理制度がなく、管理が非効率になりがちでした。
そこで、所有者が不明だったり、所有者が適切に管理していなかったりする土地や建物の管理に特化した財産管理制度が新たに設けられました。
相隣関係の見直し(令和5年(2023年)4月1日施行)
隣地の所有者やその所在が分からない場合は、隣地の所有者から隣地の利用や伸びてきた枝の切取りなどに必要となる同意を得ることができず、土地を円滑に利活用することができません。
そこで、隣地を円滑・適正に使用できるように相隣関係に関するルールの様々な見直しがされました。
その他にも、
相続登記の申請の義務化(令和6年(2024年)4月1日施行)
住所等の変更登記の申請の義務化(令和8年(2026年)4月までに施行)
など、これまで任意であった相続登記や住所等の変更登記が義務化されることになりますので注意が必要です。
詳しく知りたい場合は、法務省ウェブサイトをご覧ください。
法務省「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
※政府広報オンラインHPより引用
福岡県不動産鑑定士協会
不動産鑑定士とは、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき、国家試験、実務経験を経て国土交通省に登録された不動産の専門家です。不動産鑑定士は地域の環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定し、「適正な価格」を判断します。つまり、不動産鑑定士は、不動産の価格についてだけでなく、不動産の適正な利用についての専門家でもあります。
不動産鑑定士に対する一般的な認知度は決して高くはないとは思いますが、不動産の「価値」を導き出すエキスパートとして、不動産鑑定業界、不動産業界はもちろんのこと、金融・コンサルティングや官公庁などさまざまなフィールドで活躍しています。不動産鑑定士の主な業務は、「不動産の鑑定評価」のほか「調査・分析・コンサルティング」業務です。この不動産の鑑定評価業務である「不動産鑑定評価書」の作成は、法律に基づき不動産鑑定士だけに認められています。
不動産の鑑定評価を行う場面には、不動産を売買するとき、不動産を貸し借りするとき、不動産を相続・贈与するときや不動産を担保にするとき、不動産の証券化や不動産の権利調整のほか公的評価等があげられます。この公的評価には、国や都道府県が土地の適正な価格をー般に公表するために行う地価公示や地価調査の制度をはじめ、相続税や固定資産税の標準地の評価等があります。
特に土地の価格についてですが、一般的によく耳にする土地の価格には次のようなものがあり、制度上の趣旨等によりそれぞれの価格には違いがあります。
1.公示価格、地価調査価格
地価公示は、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示する制度で、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。この地価公示によって発表される価格を一般に「公示価格」と言います。
この地価公示制度は、都市及びその周辺の地域等において価格を求める地点(標準地)を選定(2023年地価公示では、約26,000地点で実施)し、その正常な価格を公示することによって、一般の土地の取引価格に対する指標や不動産の鑑定評価の規準、公共事業の取引価格算定の規準、土地の相続評価および固定資産税評価についての基準となること等を主な役割とし、適正な地価の形成に寄与することを目的としています。また、公示価格と同様な制度として、都道府県地価調査と称されるものがあり、各都道府県が毎年一回、7月1日時点の基準地の価格を9月下旬の頃に発表しています。
地価公示や地価調査は、国土交通省、各都道府県のHPのほか、当協会のHPでも閲覧することができます。
2.路線価(相続税路線価)
路線価は、相続税や贈与税の税額を求める際に基準(課税標準)となる土地の価格で、上記の公示価格のおよそ80%です。路線価の価格の基準となる日は、その年の1月1日時点の評価で、毎年8月頃に国税庁により発表されます。
3.固定資産税評価額
固定資産税評価額は、地方税法により、固定資産税及び不動産取得税、登録免許税などの算定時に基準となる土地の価格です。固定資産税評価額は、価格の基準となる日は1月1日で、3年毎に評価替えが行われており、上記公示価格の70%程度とされています。
4.実勢価格
実勢価格や時価という言葉は、一般の取引においてよく使われ、売買が成立した時の価格のほか、売り希望価格や買い希望価格なども含む場合があります。これらは、上記の公的な価格のような明確な基準はなく、取引によっては、当事者の事情が含まれることがあります。
以上のように、土地の価格にはその目的に応じて幾つかの種類がありますが、客観的な不動産の価格については、私たち不動産鑑定士にご相談下さい。
福岡県行政書士会
行政書士の業務の一つに、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)への書類の作成・提出があります。会社にしろ個人にしろ、事業を始めるときに気を付けないといけないのは「許認可」です。料理が得意だから飲食店を始めたい。電気工事の会社で働いていた人が独立したい。と思ったとしても誰でも出来るわけではありません。それには、何らかの資格を持っていないといけなかったり、官公署の許可や認可が必要であったり、事前に登録をしないといけない場合があったりします。また、インターネットを使って品物を販売しようと思ったとき、扱う品物によっては知らないうちに法律に違反していることもありますので注意が必要です。我々行政書士は、事業を始める際に必要な数多くある資格や許認可の説明を行い、官公署への書類の作成や提出の代理・代行をすることで、皆様の夢の実現や事業の拡大のお手伝いをさせて頂いています。
行政書士の業務として、出入国在留管理庁への外国人の在留資格(「ビザ」とよく言われています)に関する書類の取次もあります。日本の総人口と労働力人口の減少に伴い、外国人の雇用を検討、実施されている事業者も増えております。ただ、外国人を雇用するには、日本人を雇用するときには無いルールがありますし、その制度も見直しが頻繁に行われております。例えば、2019年に創設された在留資格「特定技能」は14業種(2019年当時)に限定されますが、これまで「永住者」や「日本人の配偶者等」などの身分・地位に基づき在留している外国人以外でも「単純労働」とされる仕事も出来るようになりました。そして、発展途上国の人材育成を通じた国際貢献を目的とする「技能実習制度」は、人権侵害の温床となっているとの国際社会からの指摘もあってか廃止される方向で議論がされています。人手不足で困っている事業者が多いなか、技能実習制度に代わる新制度の創設、「特定技能」の拡充も求められている状況です。
福岡県行政書士会は、外国人材を受け入れる場合の様々な疑問点や、雇い始めてからの雇用管理・職場環境づくりなどについての相談に対応するべく福岡県より、「福岡県外国人材受入企業相談窓口」事業の委託を受けています。
「福岡県外国人材受入企業相談窓口」
◆電話受付時間:月曜日から金曜日 午前10時から午後5時
(国民の休日及び12月29日から1月3日を除く)
◆電 話 番 号 :0120−86−2905
※メールでの相談も行っております。(soudan01@gyosei-fukuoka.or.jp)
福岡県社会保険労務士会
皆様は、「社会保険労務士」がいったい何をするのかご存じですか?
「社会保険労務士」は、労働・社会保険に関する法律、人事・労務管理の専門家として、 企業経営の3要素(ヒト・モノ・カネ)のうち、「ヒト」に関係する採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題や年金の相談に応じるエキスパートです。
さて、皆様もご存じのように、2023年4月1日から、中小企業に対しても月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に引き上げられました。企業はどのような対応が必要となるのでしょうか。
この割増賃金率の引き上げは、働き方改革関連法の施策のひとつです。
今回は、割増賃金率の引き上げや就業規則等の対応方法についてご案内いたします。
2023年4月1日から月60時間の残業割増賃金率が、大企業、中小企業ともに50%になりました。
割増賃金の引き上げ対象は、2023年4月1日からの労働時間となります。
割増賃金率引き上げの経緯
2010年に、労働基準法が改正され、月60時間以上の時間外労働に対する割増率が25%以上から50%以上へと引き上げられました。しかしながら、この時点で事業者に大きな影響を与える可能性があったため、割増賃金率の引き上げは大企業に限定されました。
月60時間を超える残業の割増賃金率50%については、中小企業には、猶予期間が設けられていましたが、2018年の労働基準法改正により、猶予措置が廃止されることが決定され、2023年4月から中小企業も、月60時間以上の時間外労働に対して割増賃金率が50%以上に引き上げられる事になりました。

企業が対応すべきこととは?
割増賃金率の引き上げに伴い、中小企業が対応すべきことのご提案です。
1.代替休暇を取り入れる
1か月60時間を超える法定時間外労働を行った労働者の方の健康を確保するため、 引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇(代替休暇)を付与することができます。
代替休暇制度導入にあたっては、過半数組合、それがない場合は過半数代表者との間で労使協定を結ぶことが必要となります。
※この労使協定は事業場において代替休暇の制度を設けることを可能にするものであり、 個々の労働者に対して代替休暇の取得を義務づけるものではありません。 個々の労働者が実際に代替休暇を取得するか否かは、労働者の意思により決定されます。
【労使協定で定める事項】
@代替休暇の時間数の具体的な算定方法
A代替休暇の単位
B代替休暇を与えることができる期間
C代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日
2.就業規則の変更
割増賃金率の引き上げに合わせて就業規則の変更が必要となる場合があります。
【就業規則の記載例】
(割増賃金)
第○条 時間外労働に対する割増賃金は、次の割増賃金率に基づき、次項の計算方法により支給する。
(1)1か月の時間外労働の時間数に応じた割増賃金率は、次のとおりとする。この場合の1か月は毎月1日を起算日とする。
@ 時間外労働60時間以下・・・・25%
A 時間外労働60時間超・・・・・50%(以下、略)
「モデル就業規則」は厚生労働省のサイトからダウンロードできます。
そちらも参考にしてみてください。
3.業務効率化・職場環境改善
時間外労働に対する割増賃金率の改定は、長時間労働を防ぎ労働者の健康を確保することを目的とするものです。
長時間の時間外労働が常態化している場合、業務の内容や流れを整理することが重要です。
労働者や部署において、それぞれ仕事の偏りがないかなど現状を把握する目的にも、ストレスチェックは有効です。
ストレスチェックで職場環境の課題を見つけることで、どの分野で職場環境改善を行うべきか、その優先度の判断をすることができます。
出典:2023年から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます|厚生労働省リーフレット
社労士の手続業務の中では、基本的な業務ですが、従業員の動き(入社、異動、退職)に伴う保険関係(雇用保険、健康保険、厚生年金)の事務処理を企業に代わって作成し行政機関へ提出する業務があります。
また、入社の場合には、雇用保険、社会保険の取得の要件を、扶養がある場合にはその要件を満たしているかどうかの確認をとることが重要になります。
人事労務管理の手法も統一的・画一的な雇用慣行から個別化・多様化が進んでおり、解雇・退職、賃下げ等の個別労使間のトラブルなど広範囲の相談も多くなってきており、正社員のみならず非正規社員(有期雇用者、パートの方)の雇用形態を問わず相談は年々増加しています。
〇社労士に依頼できる主な業務として
@労働・社会保険の手続き
入職から退職までの労働保険(労災・雇用保険)・社会保険(健康保険・厚生年金)の手続きを事業主に代わって行います。
A給与計算
毎月の給与計算を事業主に代わって行います。
B年度更新・算定業務
労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届事務手続きをスピーディーに、かつ適確に処理します。
C就業規則・助成金・人事コンサルティング
人事労務コンサルタントとして様々な場面で支援します。
D個別労働紛争のあっせん代理
従業員や事業主の皆様の「代理人」として、職場トラブルの円満な解決のお手伝いをすることが出来ます。
E安全衛生関係
あらゆる「ヒト」に関する面から会社を支え、労働災害ゼロを目標に、快適な職場環境を整えるお手伝いをいたします。
F年金の相談
すべての年金相談に応じます。
適切な事務処理についてのアドバイス、各種書類を依頼人に代わって作成・提出します。
〇このような業務を社会保険労務士に委託するメリットはどのようなものでしょうか?
メリット1 企業経営に専念
事業主は、労働・社会保険の複雑な手続きから解放されます。
メリット2 人兼費の節約
担当の事務員を配属する必要がなくなります。
メリット3 事務手続きの改善
行政機関などへの報告・届出手続きがスピーディーに処理され、帳簿書類も
正確に作成されます。
メリット4 経営の円滑化
法令の改正や労務管理全般に関する情報が入手しやすく、事務所は有利な各種
助成金が利用できます。
※助成金は審査があります。最終的には審査次第となります。
メリット5 適切なアドバイス
それぞれの事業所に適したアドバイス、指導が受けられます。
社会保険労務士は、令和3年3月末現在、全国で43,474名、福岡県で1,645名が会員登録しています。
具体的に社労士を探している方、お問い合わせある方は
福岡県社労士会のホームページをご確認下さい。